
朝活、婚活、ソー活、妊活、終活……前代未聞の活動ブームの陰で、「から活(からあげ食べ歩き)」に余念がない、からあげのプロ=カラアゲニストたちがいることをご存知だろうか。これは、からあげの聖地・大分県中津市出身のライター松本壮平氏がお送りする、渾身のから活レポートである。
辛さが食欲を刺激するバッファローチキンウイング
チキンウイングとは文字通り鶏の手羽。バッファローチキンウイングは米国ニューヨーク州バッファロー発祥の鶏料理です。『ゼスト キャンティーナ』はメキシコのキャンティーナ(酒場)をイメージした空間で、メキシコ料理やアメリカ料理を楽しめるお店。
ここの名物〈バッファローチキンウイング〉は、素揚げした手羽中にホットソースをからめた刺激的な味で、アメリカ版手羽先からあげといったところでしょう。カラアゲニストたちの間でもよく話題になるひと品です。味はホットとスパイスドライの2種類。
「お待たせしました!」
オーダーから数分後、店員さんが元気よく運んできてくれます。ところが目の前に置かれたのは、ソース入りの器のみがのったお皿だけ。チキンなんてどこにもない。
「ん? まさか……」
一瞬、アンデルセン童話の“はだかの王様”を思い出してしまったのですが、そんなくだらない杞憂は束の間。なんと私の目の前で、フタ付きの小さなバケツを店員さんがシェイクし始めます。その中にはチキンウイング。そうやってスパイスとソースを全体にいきわたらせてからお皿に盛るのだとか。こんな食べる前のちょっとしたパフォーマンスもおもしろいですね。
まずはホットから。これは予想通り辛い。いや予想以上か。ピリ辛どころか、口から火が出るような辛さです。1個食べ終えただけで顔中が汗だく。一緒に出されたサワークリームベースのソースを付けると、少しは緩和されますが……それでも辛い。一方、スパイスドライはそれより軽めのピリ辛系。いずれも肉がとても柔らかく、骨からすぐにはがれてくれるので食べやすい。辛味のおかげでビールもすすみます。
1ピースが人さし指大なので、かなりの個数を食べることができます。しかしこのバッファローチキンウイング、辛さは強いのですが、なぜか食べ始めると、ピーナッツやスナック菓子のように止まりません。お店を出るときは当然ながら上着を脱いでいました……。
●店舗情報
店名:ゼスト キャンティーナ・渋谷店
住:東京都渋谷区神南1-6-8 カンパリビル 2F
TEL:03-5489-3332
営:11:30~25:00(ラストオーダー 24:30)、ランチ 11:30~15:00
定休日:なし
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。